☆★☆ たこやきめぐり 第18回 ☆★☆

久々の京都。
京都駅が新しくなって、伊勢丹がやってきたり、阪急百貨店もそれに負けじと、地下食料品売場をブティックに改装したりと、秋の行楽に向けて、
何かとリニューアルの京都界隈である。
京都といえば四条河原町。

四条通りと河原町通りの接する所、京都で一番の繁華なエリアになる。

とくに南北の河原町通りは三条から四条にかけて、すごい通行量。
こんな一等地に、なんとたこ焼屋が出現したのが94年。

これは渋谷ロフト前のたこ焼屋に次ぐ、快挙、意地悪な言い方をすれば、たこ焼には分不相応な出店だと、みつけたときは思ったものだ。
最近はその近辺の高価な立地に、次々たこ焼専門店が進出しており、
先鞭をつけた「さくら家」さんに取材を申し込んだというわけである。
主人の李家建理さん(「りのいえ・けんり」とお読みする)は、私よりやや若く、役者さんのようなお顔だち。

もともとフランス料理のシェフをめざし、フランスのリヨンで1年、日本でも東京や京都のレストランで腕を磨いたという、
たこ焼業界には珍しいキャリアだ。
それにしても、どうしてこんな場所に店を構えたのかをたずねてみると、李家さんの奥さんの父親の紹介だという。

さらに聞いて驚いたのは、
義理のおじいさんは、あの永楽屋の主人なのだ。
四条河原町角の永楽屋といえば、京都の人はもちろん、遊びに来た近郊の人も必ず、お菓子や佃煮などを買いに立ち寄る人気スポット。

お父さんは、経営的な面でもいろいろ相談にのってくれるようだ。
さくら家は、そんな心強い応援のもと、李家さんと奥さん、奥さんの妹さんの3人で始めた、手づくり感覚たっぷりのたこ焼屋さんである。

奥さんは旧姓桜井さん。
桜井の「さくら」と李家の「家」をとって屋号も決まった。
たこ焼は持ち帰りの客が多いことを想定して、さめてもうまい、レンジで温めなおしても大丈夫なたこ焼にした。

味へのこだわりは、
小さなリーフレットとして、客にも配付さる。
さくら家のたこ焼は、
普通の倍以上大きいだけでなく、中味にも、こだわります。

大きくブツ切りした蛸は、3日間たれに漬け込み、しっかりと下味を含ませてあります。

具は、4種類の野菜とあげ玉のうま味、歯ざわりを生かし、生地には卵と山芋粉をバランス良く配合する事で、
ふっくら、とろりとした中味に焼きあげ、
外皮は卵の良く焼けた香ばしさを大切にしています。


こんな感じで、ソースのこと、温め方、地図などくわしく説明がある。
宅配もOK。

2年前には、すぐそばの
四条木屋町近くに、居酒屋もオープンした。

夕方から李家さんはシェフとして厨房に立つ。

メニューはもちろんすべてオリジナル。

居酒屋でたこ焼を注文すれば、焼きたてアツアツを届けてもらえる。
渋谷のたこ焼に負けないほどの
超大玉。

もう一つのよそとちがうのは、
クワイをつかっていること。

お正月に食べるクワイではなく、中国産の水クワイだという。

これは食感の変化を出すためで、ヒントはやはり
フランス料理時代に得たものだった。
魚のギャレット--これは小さなお好み焼状に焼いたものだが、魚の身だけでは食感がおもしろくないので、歯ざわりをよくするために、水クワイを入れる。

5ミリ角の水クワイを口に入れると、レンコンに似た食感。

これがたこ焼の下調味された蛸とともに、
京都人に賞味されているのである。
以上、熊谷 真菜
《探偵メモ》
・ 店 名 | | 「たこ焼き専門店 さくら家」 |
・ 住 所 | | 京都市中京区河原町通り蛸薬師上る西側 |
・ TEL | | 閉店しました。 |
・ 営 業 | | 閉店しました。 |
・ 定休日 | | |
・ 価 格 | | たこ焼き(超大玉) 4個入り 270円 8個入り 500円 からしマヨネーズ 20円 追加ソース 30円
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※ (追記) 「さくら家」は1998年に閉店しました。現在李家さんは、フランス料理 カフェアンティムを京都市中京区三条河原町西入る南側2F(TEL: 075-213-4787)で経営されています。
また、「京都さくらや」という名前のたこやき店とは無関係です。(2003年2月現在)
鎌 探偵のコメント | 咲 探偵のコメント |
本当に久しぶりの京都。 この店のたこやきですが、とにかくデカイ。 中身にキャベツ(これが京都だって感じ)、ネギ、ショウガ、天かす。 タコは、入れる前に下味をつけてあり、その上中華料理用のくわい(コリコリとしたれんこんみたいな食感)が入っている。 独特のコリコリで新鮮な歯ざわりです。 中身はとろっとした感じで生地にだしがよくしみこんでなかなか不思議な味です。 直径6、7センチで4個食べれば腹いっぱいになった。 | 今回は残念ながら取材には参加できませんでしたが、しっかりおみやげは味わいました。 京都からはるばる大阪まで持ってきたにもかかわらず、あったかかった。 具がいろいろ入っているのは、大阪ではめずらしくめずらしいだけでなく、おいしかった。 ピンポン玉にも満たない大きさのたこやきにも、いろいろ工夫が出来る物だと感じる今日この頃。 |
※この情報はインターネット黎明期である1995年に開設された世界で初めてのたこやき専門ウェブサイト「熊谷真菜のページ」内の、これまた世界で初めてのたこ焼き食べ歩きサイト「月刊たこやきめぐり~なにわのたこやきめぐり」に掲載されていた情報です。
※お店の住所・電話番号・価格など、内容は特に記述のないものは取材当時のものです。
※お店の公式サイトなど、リンク先が閉鎖されたり変更されている可能性があります。
※紹介したお店はすでに移転・閉店されている場合がありますのでご注意ください。