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1099/ 「津むら」後半
六、白子とあぶらめ
七、キス、こごみ、からすみの天麩羅
八、のれそれ、玉子とじ
九、豆ご飯
十、葛餅、黒蜜仕立て
おそらく特別なことはしておられないと思うのです。
まっとうに調理されてるだけ、なのに、とても創造的、なのに、素材の味を生かすことを最優先されてるように感じる。二律背反のことが一皿、一椀に笑みを浮かべて寄り添ってるような、なんとも奥ゆかしい和食の真骨頂。
感極まり、のれそれが穴子の稚魚であることも抜け忘れ、キスもまた、あまりの食感に何のお魚ですかとたずねる始末。こんな天才が大阪から出られてしまうのは、もったいない話です。
豆ご飯に心置きなく集中していると、MATAKANAのワインが抜かれました。ビオワインであるというのに、ビオらしさがないというか、もう普通においしいワインの味わいで、しかも香りは上質かつ洗練された・・・フローラル。
私も本で呼んだことのある究極のワインですが、このワインとの出会いが新世界へのいざないとなった、まるでボードレールじゃ、ありませんか。
料理に一人感激して泣きそうな私を葛餅がいやしてくれます。本当に美しい葛餅。和菓子職人が恥ずかしいくらいの名品です。
写真撮影に没頭する門上さんと森枝さんにはさまれたお席で、おそらく私が生きてるうちで出会う和食の最高峰を味わえる。至福のひとときです。生まれてきてよかったです。
いつか私も、MATAKANAに行きたいです。そのときは葛餅ぐらい教えてもらえるかな・・・と密かにねらっておりまする。
津村さん、ほんとにありがとうございました(^ ^;;)