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第51回 たこ長(たこちょう)
☆★☆ たこやきめぐり 第51回 ☆★☆
新地にふさわしい美人たこやき - たこ長(たこちょう) - |
いつも見にきてくださる皆様、いろいろとメールも頂戴しまして、まことに感謝しております。 数年前からとりくんでおりました、ふりかけについての一冊が、いよいよ4月に刊行されます。 粉もんから米文化へ。世界の2大穀物をみわたすことで、私の食文化研究もさらに充実してきたのではないか、(とやや自負しながら)とてもありがたく存じております。 たこやきから一歩踏み出しました新しい世界について、みなさんのご意見、ご指摘をおまちしております。 今後ともなにとぞよろしく、おつきあいくださいませ。 2001年春 熊谷真菜 | ||
なお、新刊は 熊谷真菜+日本ふりかけ懇話会 著 『ふりかけ日本の食と思想』 学陽書房 1500円 カラー版ふりかけマップ、ふりかけのおまけ博物館、ふりかけ年表、ふりかけ家系図付き。 楽しい文化論に仕上がっています。お近くの図書館などにも、ご注文くださいね。 |
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第51回 たこ長(たこちょう) 新地にふさわしい美人たこやき 熊谷真菜 北の新地は 思い出ばかり 雨もよう ♪ 「北新地」はその昔、堂島新地、曾根崎新地と呼ばれていた地域の総称です。 | ||
そこで浪花大阪の生き証人でもある成瀬先生に、新地のことをおたずねすると、早速「あんたには、これがぴったりや」と、手がけられた「『北新地』界隈散歩」を持ってきてくださった。これがとてもいい本で、読みやすく、たいへん勉強になった。 とまあ、最近の北新地に足しげく通うようになり(自慢じゃないけど、約20年前、私は新地のホステスを3か月勤めました)、その魅力は、また改めてお伝えしたい。 とりあえずここは、たこ焼に話をもどそう。 |
新地といえば、きらびやかなホステスさんというイメージはつきもので、高級クラブとなると、今でも座っただけで3万~5万円とか、いやもっと高いとこもあるとか。 蘆月という料亭では紙鍋もおいしいとか、とかく高そうな世界ではあるが、バブル以降、お客さんの層もニーズも変化している。 もちろん昔っから、新地にもたこ焼屋さんはあったけど、以前ならホステスさんのおやつ的な存在だったたこ焼が、このごろはお客さんのおみやげとしても需要が高まっている。 だから店構えも持ち帰り中心というものの、屋台の作り方、雰囲気がとても洗練されつつある。 | ||
そんな状況のなかで、これぞ新地のたこやき屋さんや! と思える店を発見した。 その名も「大ダコたこ焼き 北新地 たこ長」。明るい店先、看板の書体もしゃれている。 うれしいのは、迎えてくださったお兄さん(実はこの人がオーナーの巽善三さん28歳)が素敵なこと。さらにうれしいのは、その奥に新地のママさんでもぴったりな、あでやかな、しかもきりっとした美しさのお母さま、巽由美子さんがひかえていること。 | ||
平成10年10月 6日改装オープン。それ以前は、16年ほど由美子さんが、経営していた。 若い客層、地方からのお客さんにも喜んでもらおうと、冷めても油っこくならないよう、できるだけ油を控えた焼き方をしている。もちろんコナの配合も、長年焼きつづけてきた由美子さんの知恵が、息子へと伝授されている。 | ||
おみやげには、扇舟のオーダーが多い。私も各地のたこやきを見てきたが、扇型に並んだたこやきは初めてだ。随所に新地の工夫、そしてちょっとした遊び心、色っぽさがでているのがうれしかった。つい言い忘れていたが、もちろん味もばっちり。大きなタコは、大きさも食感も値打ちもん。飲む前のあつあつハフハフなひととき、どうぞお楽しみくださいませ。 (2001年 3月 2日取材) |
以上、熊谷 真菜
店 名 | 大ダコたこ焼き 北新地 たこ長 | |
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住 所 | 大阪市北区曽根崎新地1-7-15 桃山ビル1F JR東西線 北新地駅下車5分 | |
TEL | 06-6348-0130 | |
営 業 | PM19:00~1:00 | |
定休日 | 土・日・祝休 | |
席 数 | なし(持ち帰りのみ) |
H13.5.9現在のメニュー
たこ焼き | 600円 |
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鎌探偵の コメント | みなこ探偵のコメント |
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「たこ長」店内は大変清潔だ。ともすると油にまみれがちな壁や台、すべてが丁寧に拭われていてどこもベタベタしていない。 それは鉄板に関しても言えることで、焼くごとに丁寧に鉄板を拭い、余分な油は残さない。そうすると鉄板に生地がくっつくどころか、古い粘り気のある油を残さない為に、少量の新しい油で十分きれいに焼ける。そして油が最小限で済むことで、胸やけしないたこやきができる、と中村玉緒似のおかみさんが教えてくれた。 その直後私達は幻の道具ヌンチューが使われるのを見た。 これは一見ネジをまわすドライバーに似ているが、先端がすこし曲がっていて、巨大な耳カキのようだ。 これは鉄板の穴の底にこびりついた余分な生地をきれいにこそげとる道具である。とんがったたこピックでこびりついた生地を取ろうとするとどうしても鉄板を傷つけてしまうが、ヌンチューなら傷つけることなくスムーズに掃除ができる。ヌンチューも鉄板を清潔に保つために欠かせない道具なのだ。おかみさんは、突然店に来て「これ使うてみなはれ」という謎のおじさんから直接6千円で購入した。現在は難波の道具屋筋でのみ売られているものなのだそうだ。。 |
※この情報はインターネット黎明期である1995年に開設された世界で初めてのたこやき専門ウェブサイト「熊谷真菜のページ」内の、これまた世界で初めてのたこ焼き食べ歩きサイト「月刊たこやきめぐり~なにわのたこやきめぐり」に掲載されていた情報です。
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