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第21回 和楽路屋 堂島店
☆★☆ たこやきめぐり 第21回 ☆★☆
新地にふさわしいたこ焼スポット - 和楽路屋 堂島店 - |
最近「北新地学会」という学会が設立された。メンバーは北新地を愛する研究者、業界人、そしてクラブのママさんなどさまざま。景気の芳しくない新地をみつめ、盛り上げていこうという動きである。 折しもJR東西線が開通し、北新地駅もできたから、新地通いの人にとっては良い状況ができつつあるといえよう。 なんとなく高そうな新地にも、たこ焼の屋台が増えた。おまけにちゃんとした専門店も一軒存在している。 |
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| 屋号の示すとおり、オーナーはもともと堀江で旅館を経営していた。ビジネスホテルの登場で古風な旅館の需要が落ち、そこでなぜか、たこ焼専門店を開業したのが、25年前。 千里中央のセルシー地下1階が、当時からの本店になる。新地には堂島店として15年前にオープンした。 年代ものというか、昭和初期に遡れそうな2階建ての民家を改装した、趣のある店構え。屋号からも、こりゃさぞかし高価なたこ焼だろうな、と思わせる雰囲気。ところが中は奥深いカウンター席で、お客さんが思い思いにたこ焼をつつく、というなんともアットホームな世界が広がる。 | |
店長の鎌田雅明さんは、私より11歳も年上には見えない若々しさ。寅の年男にも見えないやさしい感じの人。 「仕事がらむずかしいかもしれませんが、どこのたこ焼がおすすめなんですか」。 |
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| こんなことをダイレクトに聞いてくるたこ焼屋さんも珍しい。 |
「イヤー、たこ焼というのは、味だけで語れるものではないんですね。主人の意気込みとか、店の演出なども加わっての味わいになりますから、どこのがおいしいなんて、答えることは不可能なんですよ」。 「うまいこと言いますね(笑)。ところで正直言って、うちのたこ焼はいかがでしょうか」。 やはり寅歳の人だ。鋭い質問のショックに、いつのまにか無言のまま、鎌田さんの焼く手元だけをみつめていた。 |
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| こぶりの銅の鍋に、コナと天カスがあふれ、それを千枚通しですばやく丸めていく。注文を受けてから焼きはじめるものの、かなり早く焼きあげる。 ひょうたん型のお皿に10個。ソース、七味の醤油など、好みの薬味をつけて食べる。印象的なのは天カスの味、香ばしくて歯ごたえが残っていて、ここの味は天カスが大きなカギと見た。特別オーダーらしく、形も色もふぞろいのおいしそうな天カスが器に山盛りに置いてある。 メニューは、たこ焼1種類だけ。飲み物はアルコール系が数種。こんな空間でたこ焼1アイテムを守り続けているとは。店の自信と誇りの現れでもある。さっきの店長の質問も、確固とした思いの上での、まじめなものだったわけだ。 | |
それだけの味を決めたのは、だれか気になる。亡くなった社長の奥さんだった石原栄さんだという。その人はなんと明治43年生まれ、今も元気に仕事や趣味に夢中になっておられるらしい。 そんなハツラツとしたおばあさんにあやかれるよう、時には食べに出掛けたいもの。 夕方からは出前もしてくれる。2階は靴を脱いで掘り炬燵風。借り切って、たこ焼パーティーもできそうなスペースだ。これからの新地に必要な要素を大いにふくんだ、たこ焼スポットである。 |
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以上、熊谷 真菜
《探偵メモ》 ・ 店名 | 和楽路屋 堂島店(和楽興業株式会社) | |
・ 住 所 | 大阪市北区堂島1-10-1 JR北新地駅下車 新地上通り入る | |
・ TEL | 06-6341-3402 | |
・ 営 業 | AM11:30~PM10:00 | |
・ 定休日 | 日曜日・祝日 | |
・ 席 数 | 50名(1F,2F合わせて) | |
・ メニュー | たこやき(10個) | 480円 |
みやげ(12個) | 530円 | |
ビール | 480円 | |
冷撰洋酒 | 630円 | |
ワイングラス | 380円 | |
チューハイ | 380円 | |
ジュース | 210円 | |
兄弟店 | セルシー店(本店) | 千里中央駅セルシーB1 TEL:06-6832-7510 |
豊中店 | 阪急豊中駅前 TEL:06-6854-1782 |
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オスカードリーム店 | 住之江公園駅西隣 TEL:06-6684-2378 |

鎌![]() | 咲![]() |
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NEC関西支社は北新地そばの新ダイビルにオフイスを構えていたことがある。 当時からおいしいたこやきで有名で常連がたくさんいた。たこやきだけで勝負。天かすいっぱい、ちょっと甘い味のたこやきで夜はいつもお客でいっぱいでした。 新地の一角、繁華街と異質の古い民家を改造した店舗で雰囲気たっぷりで味わえるお手頃なたこやき店です。 | 取材日に別の仕事が入り、残念ながらおみやげのたこ焼きを食した。新ダイビルにいた同僚のおすすめ通りおいしかった。 でも、鎌探偵は「どうしても焼きたてを食べて欲しい!」と言うので、別の日に食べに出かけた。 おみやげとは全く違った味!!! 2度楽しめるたこやきです。 |
※この情報はインターネット黎明期である1995年に開設された世界で初めてのたこやき専門ウェブサイト「熊谷真菜のページ」内の、これまた世界で初めてのたこ焼き食べ歩きサイト「月刊たこやきめぐり~なにわのたこやきめぐり」に掲載されていた情報です。
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