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第3回 のむら西店

☆★☆ たこやきめぐり 第3回 ☆★☆

 
西がつくからには、東もあるの?
- のむら西店 - 
 歩きながらふと、思い出したように「京橋はええとこだっせ」を歌いだす知人がいる。あの深夜のCMは、意外と東京の人にも知られていて、ナゾを呼んだ時期もあった。
 グランシャトーでお馴染みの京橋は、まさに大阪の街を凝縮したような、歌あり、笑いありエッチありそして何よりも大阪城をバックに、川と緑とビジネスのつまった高層ビル群のひかえる、文化と文明のひしめき合った特徴的なダウンタウンだ。
 私たち、たこやき探偵団の母体である、NECシステムテクノロジーもここ、京橋OBP(大阪ビジネスパーク)を本拠地としている。
 さて、今回紹介したいのは、常連さんとなっている鎌探偵のご推薦「のむら西店」。西がつくからには、東の方に本店もある。そちらは本家だが、お好み焼き専門店。西店の方は、たこやき専門店とやや趣をかえての営業になっている。
 開店の3時。店のまえに到着。ところがシャッターがおりたままだ。
 「電話でご主人には、ちゃんと確認したんですけど。」
 鎌探偵もおろおろしている。
 でもしばらくして、店の人も到着。
 息をはずませる大きな買い物袋からは、青首だいこんがのぞいている。ふつうの主婦の感じ。その人がたこやきを焼くなんて、ちょっと想像できない。
 「お待ちになった?ごめんなさいね。どうぞ、はいって見ててください。すぐ用意しますから。」
 店はあいたものの、たこやき屋に来たという気持ちにはなれない。なぜなら赤と白が基調の店が多いなかで、ここは昔ながらの喫茶店といおうか。中にはいれば、アンティークな掛け時計が、壁全体をうめつくすように並んでいて、たこやき屋的なものがゼロなのだ。
 おまけに店の奥さんであろう婦人も、これまで出会ったたこやき屋のおばさんとは、容姿というか、タイプが異なる。
 「熊谷さんは “といろ” にしますか?」
 やや不安げな私を気づかって、鎌探偵は注文を確かめる。  ”といろ” というのは、タコやサーモン、いか、チーズなど十種類、一つずつちがう具がはいったたこやきだ。欲張りでわがままな女性客に人気のメニューだ。
 もちろんタコだけもあるし、 “うめたこ” というのもある。高級な梅肉と大きなタコがいっしょに心中しているような、まさに大阪的文学的な発想の取り合わせだが。私はこれもリクエストした。
 入口のところのガラス戸越しに、たこやきの鍋がよく見える。夕方にもなるとすごく満員らしいから、みんなここで順番をまちながら、たこやき焼けるのを待つんやろな。
 さて私も奥さんにいろいろ質問してみた。
 のむら西店のご主人は野村靖宏さんという。昭和22年生まれの49歳。学生時代に天満宮にある堀刀剣店で修行。戦後生まれの野村さんにとって、ホンモノの武器の収集は魅力的な仕事だった。
 この店にも、つい最近まで時計と同様、武具刀剣がディスプレイされていたという。野村さんは、たこやき屋であるまえに、骨董や古美術商だったのである。
 ところが野村さんの家は、お好み焼きやさんだった。一方では家業をつづける使命もある。野村さんは、だしにつけて、しかもいろいろな具を入れるたこやきの専門店を考え出したのだ。
 お好み焼きと武具刀剣の接点として、京橋発の新しいたこやきが誕生したのである。
 それから20年、 “といろ” や “うめたこ” でビールをいただく女性客を中心に、おしゃれでおいしいスポットとして注目を集めている。
 小さなお盆に10個のたこやきとおだしの器、だいこんおろし、しょうががきれいに並んでいる。ほっこり、しっかり焼かれた “うめたこ” をあつあつのおだしにつけていただく。ほんのり甘くてすっぱくて、そしてタコがおいしくて。こんなすてきなお店があるとは、京橋はほんまにええとこやなぁ、とあらためて感じ入る。
 うめもサーモンもといろにしても、人気メニューには、奥さんのアイデアがしっかり盛り込まれていた。
 「お父さんが焼くと、また一段とおいしいんですよ。」
 やさしい奥さんのお話から見えてきた、ご主人の実像は、趣味と道楽と商売の三位一体をコーディネートする、ユニークかつ魅力的な人物像でした。

以上、熊谷 真菜

《探偵メモ》
お店の名前→古美術品全般・たこ焼き のむら西店

お店の住所→大阪市都島区片町2丁目4-8上室ビル1F
06-353-1819
京橋駅(JR・京阪のりかえ広場)から徒歩1分
お店の入口を見落とさないようにご注意下さい。


開店時間→15:00~22:00 日曜定休

料金→10個\530~630(昔懐かしいビンジュースがあるよ!)

ゆか探偵のコメント探偵のコメント探偵のコメント
 店がまえを見ると、「骨董品屋さん?」と思ってしまうお店。店内に入るとレトロな感じで、昔の柱時計や電話、レジスターがあり、タイムスリップしたよう。
 メニューはサーモン、たこ、貝柱...をだしで食べる明石焼風とマヨネーズソースで食べるベーコンチーズ(サラダ付)の洋風。一皿で10種類の味を楽しめる「といろ」を注文するもよし、足繁く通って、一皿ずつ制覇するもよし。
 まずは、一度足を運んでみてはいかが?
AFTER5に誘われて「大阪では居酒屋代わりにたこやきやさんへ行くのね!」と驚いたお店です。どう見てもたこやき屋さんに見えないお店に入って驚き!だしにつけて食べる明石焼きとは違うたこやきに驚き!!
「もう一皿!」と言いたくなる「といろ」です。
「といろ」とは、変わりダネたこやきで、たこ、いか、えび、かに、牛肉、ベーコン、梅、キャベツ&グリンピース、サーモン、コーンといった10種類の具をいれたものをそれぞれ1つずつだしてきて、大根おろしのつけ汁で食べるというもの。外側はカリカリとちょっと固めにやいてあるので、「次は何かな」と想像しながら食べる宝さがし的楽しみもあります。

※この情報はインターネット黎明期である1995年に開設された世界で初めてのたこやき専門ウェブサイト「熊谷真菜のページ」内の、これまた世界で初めてのたこ焼き食べ歩きサイト「月刊たこやきめぐり~なにわのたこやきめぐり」に掲載されていた情報です。
※お店の住所・電話番号・価格など、内容は特に記述のないものは取材当時のものです。
※お店の公式サイトなど、リンク先が閉鎖されたり変更されている可能性があります。
※紹介したお店はすでに移転・閉店されている場合がありますのでご注意ください。

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