© コナモン資料室 All rights reserved.
第37回 うまいもんや
☆★☆ たこやきめぐり 第37回 ☆★☆
外カリ、内プチュ。究められたうまさ。 - うまいもんや - |
駒川中野商店街といえば、大阪でも一、二を競う賑わいのある商店街。庶民の台所としてオモロイ店が軒を連ねる。 地下鉄駒川中野駅からはじまる商店街をはいったすぐの所に「うまいもんや」はある。そういえば、以前来たときになんとなく気になった店だ。ただ私があえてたずねなかったのは、そのあとの約束の時間が迫っていたこと。客が数人いて順番待ちだったこと。そして店の形態がもうひとつややこしかったたこと。 | ||
店の形態がややこしいというのは、たこやきを焼く台のうしろに、ちゃんとした調理場があって、どうやらそこにはカウンターもあり、やきそばやお好み焼、ラーメンなども出している様子だった。 あっそうか。「ついでのたこやき」なんだ。 「ついでのたこやき」というのは、たとえばお好み焼屋さんが、材料の共通点から、ついでにたこやきも焼く、とか、惣菜屋さんが最近人気のたこやきを、ついでに始めるといった意味。 |
||
たこやきなんて、「ついで」みたいな食べものだから「ついで」そのものは別にどうってことない。でも私としてはたこやき一本勝負のお店の方が、お店の人のたこやきへの愛情が何となく感じられて、つい「ついで」っぽいお店は行き過ぎてしまう癖がついているのだ。 よくあるパターンで考えてはいけない。今回うまいもんやのたこやきを味わい、「ついでスタイル」への偏見を捨てなくてはならないことを痛感した。 | ||
主人の下山達夫さんは、私の知るたこやき店主の中でも十本の指にはいる、かなりのこだわり派。おまけに味への思いを語らせれば、その巧妙な語り口、説得力は五本の指にはいる。 |
昭和14年生まれ。繊維問屋から独立して雑貨店を営み、十年前、時代の流れに合わせて商売の方向を飲食へとかえる。麺類好きだったのでまずは本格的な讃岐うどんを。7年前からたこやきを自ら焼く。 | ||
片手間商品だと思っていたたこやきだが、生半可でやれるものではないことがわかり、「麺屋」を職人にまかせて、たこやきに全力投球。 自分の舌に合ううまい店を探し、そこのやり方を一お客として観察。粉のねりぐあいを、色や流れる速さでチェックし、自分の味つけに生かしてきた。鳥がらスープが特徴だが、これはかつおだしの癖を和らげてくれるらしい。 | ||
「大阪のお人の口は正直で/ うまいもんしか口にせぬ/ 世間たこやき数あれど/ 大阪生まれの生粋の/ 味にこだわりシンプルに/ 玉子と鳥だし練りこんで/ 醤油の味つけかくし味/ うまいもんやの味のほど/ あしたも又とご来店/ 毎度おおきにありがとう/ なにとぞよろしく/ これからも/ ご愛顧お願い申します/ 大阪・駒川本店 うまいもんや」 | ||
持ち帰り客も多いが、店のなかでも味わえる。ソース、マヨネーズもあるが、一番シンプルな醤油味がいい。「外カリ、内プチュ」この表現がぴったりの絶妙な食感。 実は今回もあとの約束に時間切れとなってしまった。こんどたずねるときは、たこやき以外のメニュー、そして麺屋のうどんもゆっくり味わいたいと願っている。 |
以上、熊谷 真菜
店 名 | うまいもんや | |
---|---|---|
住 所 | 大阪市東住吉区駒川4-4-19 地下鉄谷町線 駒川中野駅下車5分 駒川中野商店街入ってすぐ | |
TEL | 06-6692-6480 | |
営 業 | AM11:00~PM25:00 | |
定休日 | 無休 | |
席 数 | 10席 |
H11.10.4現在のメニュー
たこ焼 –個 | —円 |
---|
鎌探偵のコメント | 桑探偵のコメント |
---|---|
桑探偵、取材には参加したものの探偵メモがまだこない。 |
※この情報はインターネット黎明期である1995年に開設された世界で初めてのたこやき専門ウェブサイト「熊谷真菜のページ」内の、これまた世界で初めてのたこ焼き食べ歩きサイト「月刊たこやきめぐり~なにわのたこやきめぐり」に掲載されていた情報です。
※お店の住所
・電話番号・価格など、内容は特に記述のないものは取材当時のものです。
※お店の公式サイトなど、リンク先が閉鎖されたり変更されている可能性があります。
※紹介したお店はすでに移転・閉店されている場合がありますのでご注意ください。