ベトナム南部解放50周年
急成長するホーチミンの粉モン事情
Hồ Chí Minh
日系企業の進出は2000社超え、アジアのなかでも目を見張る経済成長真っただ中のベトナム南部の都市ホーチミン市。19世紀はフランスの植民地として、サイゴン大教会建設のためなどの建築資材がフランスから輸入され、いまでは歴史的建造物としてヨーロッパの雰囲気も漂う。ホーチミンがサイゴンと呼ばれた時代、ベトナム戦争でアメリカ軍が駐留、解放されたのが1975年4月。ベトナム南部解放50周年の祝賀ムードの中、中国、フランスの影響を受けた食文化はさらに進化し、日系企業のユニークな食ビジネスも注目される。
フランス文化との融合、バインミー5種
ベトナムのサンドイッチ、バインミー。日本でおいしいバインミーに出会わないな・・と思っていた理由の一つはパン。フランスの影響もありバゲットを使うが、フレンチバゲットより全体にソフトで、太めに焼かれたものが多い。首都ハノイではコッペパンタイプでサックリ、食感良く焼きあげたものが目立った。バテとの相性が良く、米粉ブレンドのものもある。ハノイは長さ20㎝、直径5㎝までで1本1人前でちょうど良い。が、ホーチミンは長さ25㎝超え、直径も7~8㎝あり、容量でいうと4倍ほどあるボリューミーなのが主流。人気店5軒を食べ比べてみた。
・バインミーニューランBánh Mì Như Lanは、地元では定番の老舗のベーカリー。中華まん、ハム、ソーセージの販売もある。バゲットに切れ目をいれて、パテ、野菜、ソーセージをはさんでくれる。「ノーチリ」と言わない限り、辛みもしっかり入る。
・バインミー 362 Bánh Mì 362 1980年創業という老舗だが、お店はリニューアルされ、明るい店内で具材をオーダー。オムレツ、きのこにしたら、焼く時間少し待たされる。仕上げにオーブンで加熱。このひと手間でおいしさがぐんと変わる。トッピングの自家製でんぶ(台湾でよく見かける味付けした豚肉の繊維をほぐしたドライ商品、バーソー)も商品化されている。レモングラスウォーターも30℃を超える街ではとの相性も良い。
また日本でバインミーの紹介文に「なます」がはいると書かれることが多いが、日本のなますのように砂糖は入っていない。大根、人参を太めに千切りしたものをさっと酢にくぐらせたものが多く新鮮野菜の食感もあり、さすが本場のバインミーはバランスが素晴らしい。
・バインミー マダムウィンBánh Mì Bà Huynh
交通量の激しいコンクイン交差点に面した創業40年のバインミーマダムウィン。スイカジュースとともに豚肉のバインミーをほおばる。サイドはベトナムの朝ご飯の定番Bánh Giò。米粉とキャッサバ粉のベトナムちまきで、豚の脚肉を使うのが特徴。バナナの葉で巻かれ中華の影響も感じられるうずら卵入り。プルプルした食感はデザートに近いので初心者が慣れるには時間がかかりそうだ。
※キャプション
65 バインミーポーク
16 Bánh Giò
35 スイカジュース
・バインミーフィンホアBánh Mì Huynh Hoa
1989年創業、行列店なのでデリバリー業者(Grab )と一般客は別の窓口だ。メニューは全部入りの1種類のみ(73ドン)。太めのきゅうり、人参など野菜は別添。
・バインミーホンホアBánh Mì Hồng Hoa 朝5時から夜9時まで営業している人気店。古い店構えのまえにテーブルが並び、お客さんがほおばっている。メニュー表一番上のエクストラミックスドミーツ(42ドン)、ハンバーガー(38ドン)、その並びに「スティッキーライス」とあるのでスモール(30ドン)を注文した。バインミーの決めてとなる豚パテはあっさりとなめらか、とても良い仕事をしている。ハンバーガーも手作り感あふれ一気に完食。ライスは蒸したもち米に野菜、でんぶ、ソーセージ、うずら卵がのり、サイドの定番。バインミーともち米丼で大満足の朝ごはんとなった。
奥をのぞくとわかるがこちらは製パン屋さんでもある。ベンチタイムのバゲットも並べられ次々に焼かれている。バイクでパンだけを大量に買っていく人も多く、焼き立てバゲットのバインミーは間違いないおいしさだ。
※キャプション
Bread with Extra Mixed Meats 42
Humburger 45
Sticky Rice Mixed Small 30